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本研究科の大学院生 清水皇稀君の論文が国際誌「Plant & Cell Physiology」に掲載されました

世界の重要な食用作物に被害が拡大している茎寄生植物ネナシカズラCuscuta japonica(以下、ネナシカズラ)の吸器には、水や栄養の輸送路となる維管束を構成する各種細胞が分化していること、その分化の様子は通常の維管束組織の分化とはいくつかの点で異なることがわかりました。ネナシカズラは宿主植物の茎に巻き付き、吸器と呼ばれる特化した器官を挿入して水分や養分を宿主から奪います。宿主の光合成産物が吸器にできた通導組織を通って運ばれていくことはわかっていたのですが、この通導組織分化が普通の維管束分化と同様に起こるものなのか未解明でした。清水皇稀君(青木教授研究グループ)は、まず維管束組織の篩部、木部、幹細胞に特異的な遺伝子の発現をネナシカズラ吸器で検出し、それぞれの組織を形成している細胞群が吸器に存在することを初めて明らかにしました。これらの分化には普通の維管束形成の時に使われる分泌ペプチドとペプチド受容体からなるシグナリング経路が機能していることが示唆されました。しかし、細胞分化のタイミングは普通の維管束組織の形成とは異なる可能性があり、吸器発生の初期に幹細胞属性をもつ細胞の出現とほぼ同時に篩部、木部細胞が分化していることがわかってきました。本成果はネナシカズラが宿主から栄養を奪う分子機構を明らかにし、寄生植物による被害軽減と農作物の防御につながるものと期待されます。

発表者

Kohki Shimizu*, Akitaka Hozumi, Koh Aoki* (*本研究科所属者)

著書又は発表論文の情報

Organization of vascular cells in the haustorium of the parasitic flowering plant Cuscuta japonica.
Plant Cell Physiol. 2017, 2017 Dec 11. doi: 10.1093/pcp/pcx197.